【インタビュー・550万円住宅の真髄はここにあった−アキュラホーム宮沢社長に聞く】


オランダでは、使用電力よりも多くの電力を生み出す「エコ住宅」の建築が進められている。人間による気候変動への影響を減少させるため、建築家や地方行政が積極的に「エコ住宅」の建築に取り組んでいるのだ。ボクステル(Boxtel)では、「環境に優しい住宅地」が建設された。

【インタビュー・550万円住宅の真髄はここにあった−アキュラホーム宮沢社長に聞く】
アキュラホームが30周年記念一戸建応援プロジェクト「新すまい55」として販売した550万円住宅(建物本体価格)。
昨年4月、期間限定で販売された同商品は大きな反響を呼び、販売から1カ月程度で1万件を超える問い合わせを受けるなど、好評を博した。
その後も、延長販売など行い、2010年1月からは、2プランから10プランに拡充し、全国工務店ネットワークのジャーブネットから全国販売に踏み切った。

無駄を省き、合理的な家づくりの究極形とも言える「550万円住宅」を作ったアキュラホームとは、どのような会社なのか。
そして、その家づくりの真髄とはどのようなものなのか。宮沢俊哉社長に、お話を伺った。

三代続く大工の血筋
私の祖父は宮内庁御用達の大工の棟梁、父は山梨で工務店を営んでいました。大工の血が私にも引き継がれたのでしょう。父親の作業場を遊び場に、小中学校の頃から鉋などの大工道具に親しんだものです。余り材を使って、木工の腕を磨きました。父や祖父のような大工になりたいという想いは、こうした環境から自然と育まれていきました。

中学校卒業後は、叔父からの紹介で、埼玉県にて工務店を開いていた親方に弟子入りしました。いつか大工として一人前になりたいという夢を抱いた自分は、祖父や父の助言を受けて「大工になって棟梁になれるのは一握りだ、まずは他人の釜の飯を食ってこい」と、見習い修行に出たのです。

そこで修行に励みましたが、合理化されていないムダの多い現状に頭を悩ませました。たとえば、押入れの天井。昔はベニヤ板がなかったので、天井板には杉板が使われていました。ところが、杉板でベニヤ板のような薄い板を作るとなると、幅30cmぐらいの板しかとれない。これを何枚か重ねて押入れに張り、垂れないように「竿縁」という木を入れていました。これを「イナゴ天井」と言います。ですが、私が見習い修行をしていた頃には既にベニヤがあって、イナゴ天井を作る意味がないのではないかと思ったのです。

そこで親方に「ベニヤをベタっとはった方が早いんじゃないのでしょうか」と進言したら、「馬鹿野郎! そんなの本格的な天井じゃない」と一蹴されたものです。今は、ベニヤの一枚張りで押入れを作るのは主流ですが、当時では考えられないことだったんですね。私はその当時から、創意工夫による家づくりの合理化に着目していました。

19歳で独立、苦悩の時代
修行は4年と半年に及びました。一人前として現場を任されるようになっていましたが突然、事件が起きました。親方が夜逃げをしてしまったんです。高度経済成長の時代、建て売りの下請けに手を出してしまい、親会社が倒産したあおりを食ってしまったんですね。非常によいご家族で、今でも当時のことを思い出すと寂しい気持ちになります。

その後やりかけの仕事を仕上げるということで、倒産した親会社とは別の親会社から依頼を受け、19歳で「都興建設」を立ち上げました。これがアキュラホームの原点になります。年齢も若く、独立したばかりで信用がない時期は、人が嫌がる後始末や営繕(リフォーム)の仕事が多かったですね。その時、思ったのは「ずいぶんいい加減な仕事をしているなぁ」ということ。さらに、建て売りの下請けをやるようになり、手抜きが横行していることに気づきました。

宮内庁御用達の大工の棟梁の祖父を持ち、いいもの作って喜ばれるのが大工の真髄だと疑わなかったので、この状況には非常に衝撃を受けました。そして「これなら自分の方がよい仕事ができる」と思い、新築にチャレンジしましたが、その当時、私は21歳。若造の言うことなんて、誰も相手にしてくれませんでした。下請けすら仕事が広がっていかない。苦悩の時代でした。


正直に申し上げますとこれまでに3度は倒産しかけましたが、アキュラホームが現在に至るまで、何度か転機が訪れました。そのひとつが、価格の明確化です。当時、チラシには「修繕・増改築承ります」と書かれていることが普通でしたが、これでは実際いくらになるのか分かりませんよね。私は当時マーケティングなんて知りませんでしたが、リフォーム時にはある程度パターンというものがあったので、パターンに合わせて価格を明示する「提案型」のチラシを制作して配布したのがヒットしました。これによって信用力もつき、新築工事を請けるようにもなりました。

その後、新築住宅、そして注文住宅に参入していきました。直接施工での安さはありましたし、昔ながらの工夫で安くするのは得意とするところでした。前述の話のように、天井をイナゴ天井からベニヤの1枚張りにすることで7,000円のコストが2,000円に圧縮されます。5カ所で2万5,000円安くなる、こういう積み重ねによる合理化を、徹底的にやっていった訳です。これが機を得て、さらに業績を伸ばしていきました。
試行錯誤の末、たどり着いた木造軸組工法

輸入住宅やデザイン性に特化した注文住宅に力を入れた時期もありましたし、2×4やパネル工法を取り入れたり、私自身が鉄骨の家、コンクリートのマンション、高級マンションにそれぞれ住んだりして、いろいろと試してみたのですが、最終的に立ち戻ったのは日本で一番普及している木造軸組工法でした。木造軸組工法は一番普及していることもあり、工務店が建設しても大手メーカーのプレハブより安くできるのは、意外に知られていません。

この木造軸組工法をベースに、海外の素材や資材等々を使い、最高の技術力やITを駆使して合理化を推し進めているのがアキュラホームなのです。

そして、アキュラホームを語るのに「長期優良住宅」のキーワードは欠かせません。国が提唱する長期優良住宅の基本性能は耐震性、省エネルギー性、劣化対策、さらにどんなにいい家を建てても、経年劣化はあるので、維持管理をしていくという条件。これらを全て満たすには高い技術力が要ります。地域の工務店ではなかなかできていません。ハウスメーカーや弊社のような規模の住宅会社しか建てられていないのが現状です。丈夫で長持ち、快適で環境にもやさしい。こうした長期優良住宅において合理化を進め、1,500万円で販売することを可能にしました。
現実を見据えた家づくり、550万円住宅誕生の経緯

一方、リーマンショックを契機に感じたのは「子供を産み、育て、二代三代と同じ家に住み続ける」のは理想ではないかということです。私も子供が4人いますが、家族との絆を深め、資産価値の高い家づくりは大事だと考えます。ですが実際、お客様を見ていると子供は要らない、もしくは1人で十分という人もいます。また、広い家を減築する高齢者の方も見られるようになりました。これは、好景気の時には考えられないことです。

若い世代には都心に近いところの賃貸やマンションが人気です。でも、土地が狭くてもコンパクトで求めやすい価格帯で住宅が買えるのであれば、皆さん喜んでくれるのではないかと思ったのです。そこで、合理化を図るアキュラホームにおいて、無駄をさらに徹底的にそぎ落としていったのが、「新すまい55」の550万円住宅でした。

もちろん社内からも反対を受けましたが、営業や設計の合理化に着手しないとお客様にとって求めやすい価格帯は提示できないと説得しました。おかげさまで非常に好評で、1月からはジャーブネットを通じて全国販売に踏み切りました。

さらに全国販売、今後の展開について
販売開始直後は2プランでしたが、今回は3人家族にも対応でき、さらに余裕のあるプランを含めた10プランをご提供しています。将来的には、一流の建築家・設計者が無駄を省き、ある程度変更ができるイージーオーダーの注文住宅が可能になればと考えています。昨年販売した時の2プランが、スーツのSサイズだとしたら、今回の10プランはMサイズ。今後はLサイズも提供することで、よりお客様のニーズに沿った提案ができればと考えております。私どもがご提供したい家はただ作っておしまいの家、ではなく5年後、10年後、住んでいる人がハッピーになっている家です。その上で、私どもはよりよい家づくりのために合理化を推し進め、技術力・IT化の推進とともにさらに高みを目指していく所存です。

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posted by 引越し屋本舗 at 14:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 住宅情報
今日も最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。